なぜ金魚を混ぜて飼育をしてはいけないのか|混ぜるな危険


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金魚飼育において、よく言われる「混ぜるな危険」という言葉ですが、
なぜ危険なのか、結論から言うと病気になるからです。
これは、みなさん聞いたことがある方が多いと思います。
しかし、我々がいくら混ぜてはいけないと言っても混ぜて、
手に負えなくなって、弊社に相談される方がたくさんいます。
今回は、なぜ魚を混ぜることが危険なのか、詳しく解説致します。

なぜ病気になるのか?
金魚はそれぞれの飼育環境で病原菌やウイルスを持っている事があります。
今回は、金魚の病気の中でも最も怖い病気のひとつ「金魚ヘルペス」を例に説明します。
その金魚自体は、販売店に来る前に、その病気に対しての抗体を持っているため
病気になることは、基本的にありません。
しかし、他の飼育環境の魚を同じ水槽に入れると感染します。

病気になったら治療すればいいのでは?
「金魚ヘルペス」という病気は、ウイルスが原因の病気で治療薬はありません。
病気の症状は、貧血で徐々に衰弱する場合や他の病気を併発する場合があり、
病気の発見や判断が非常に難しい病気です。
治療方法は、水温を34℃で4日間餌も与えないで、ウイルスに対しての抗体を
獲得する事で、病気から回復させるという方法で、魚の体力に頼るので、
体力のない魚は、助かりません。

魚を混ぜても病気にならなかったのは、運がいいだけ!
魚を混ぜても病気にならなかったという方もいますが、これは、完全に偶然です。
たまたま病気の原因のウイルスや病原菌がいなかっただけで、
混ぜる事を繰り返せばいずれ病気になります。

トリートメントをすれば大丈夫?
よく観賞魚飼育では、病気予防のため、水槽に魚を入れる前に
病原菌等を殺菌する目的で、薬浴を行う事があります。
これをトリートメントと言います。
金魚でもやる方もいますが、このトリートメントは、
一部の病気に対しては効果がありますが、上記の金魚ヘルペスには、
まったく効果がありません。
販売店の店員さんがよくトリートメントをしているので、混ぜても大丈夫
という事を言いますが、まったく大丈夫ではありません。
完全なセールストークだと思ってください。

ブリーダーや養魚場でも簡単に混ぜて飼育することはしない!
飼育のプロの場合でも基本的に別の舟で飼育をしますが、
混ぜる場合は、テストの魚を混ぜて1ヶ月程度様子を見て
問題ない事を確認して混ぜます。
一般の方では、テスト用の魚を用意することが出来ませんので無理な方法です。

プロは、病気の持込に細心の注意を払う!
プロの方は、違う環境の魚の舟に手を入れる前に必ず手を洗いますし、
飼育場の入り口には、ウイルスや病原菌の持ち込みを防ぐため
消毒薬を設置し靴底と手の消毒をしている所もあります。

金魚を混ぜて飼育していけない理由には、このような理由があります。
販売店の中には、MIXと言う形でいろいろな種類の金魚を混ぜて販売している所も
ありますが、購入はおすすめできません。

金魚を病気にしないための注意点
1.立上げ時に水槽の完成形の状態を想像し、最初から飼う数を決めて魚を購入する。
2.金魚は、同じ環境の魚のみを導入する
3.MIXなどいろいろな種類が混ざっている魚は買わない
4.魚が減っても足さない
5.別な金魚がほしくなったら別な水槽で立ち上げる
6.別な水槽に手を入れる前には、必ず石鹸で入念な手洗いをする

近年、金魚においては、これまでに確認されなかった様々な病気が発生しています。
みなさん(特に初心者の方)は、長く金魚飼育を楽しんで頂くためにも絶対に混ぜないで飼育して下さい。
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